猫のサプリ、結局どれが飲ませられる? 腎臓ケア・毛玉ケア・乳酸菌を7つ比べました

白と茶の長毛猫
Photo by Esteban Chinchilla on Unsplash
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ここで扱うのは健康維持を目的とした食品(および動物用医薬部外品が1点)であって、病気の治療や予防のためのものではありません。すでに診断がついている猫、通院中の猫に何かを足す場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

「買ったのに、口をつけてくれない」の話

深夜1時。カーペットの上で猫が数回えづいて、細長い毛玉が出てくる。これが週2回になったあたりで、私は毛玉ケアのサプリを探し始めました。

腎臓のほうはもう少し切実で、9歳の健診で「数値、そろそろ見ておきましょうか」と言われたのがきっかけです。フードを療法食に切り替えるほどではない、けれど何かしておきたい。そのちょうど中間にサプリがある。

ただ、猫のサプリで一番の壁は成分ではありません。飲んでくれるかどうかです。私は過去に、粉末タイプを買って3回で断念したことがあります。ウェットに混ぜたら、その日からウェット自体を警戒するようになってしまった。あれは本当に失敗でした。

この記事では、腎臓・毛玉・乳酸菌の3ジャンルから7製品を、「うちの猫の口に入るか」という視点で並べます。

先に:この記事が向いていない人

読み進める前に、外しておきたい人がいます。

選ぶときに見る基準は3つだけ

1. 剤形——ここが9割

錠剤、粉末、ペースト、水溶液。この違いが継続できるかどうかを決めます。

私の体感では、ペースト>水溶液>ふりかけ粉末>錠剤の順で難易度が上がります。ペーストは前足に塗れば舐め取ってくれる子が多い。錠剤は、投薬が得意な飼い主でないと1週間で心が折れます。

2. 1日あたりの量と、袋がいつ空になるか

「30包入り」と書いてあっても、1日2包なら15日で終わります。パッケージの容量ではなく、推奨量で割った日数を見てください。腎臓ケアは半年〜年単位で続ける前提になるので、ここを見誤ると途中で止まります。

価格は時期と店舗で動くので、私は「袋の日数 ÷ 購入価格」を計算してからカートに入れるようにしています。

3. サプリメントか、動物用医薬部外品か

同じ棚に並んでいても区分が違います。動物用医薬部外品は用途の表示が認められている一方、サプリメントは「健康維持のサポート」という表現にとどまります。どちらが上ということではなく、期待値の置き方が変わるということです。

比較表

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商品ジャンル形状内容量与えやすさ気になる点
SILCAT シルキャット
サプリメント
腎臓ケア水溶液(個包装)30包単価は高め
ウィズペティ 毎日腎活
サプリメント
腎臓ケア錠剤(カツオ味)60粒△〜○錠剤が苦手な子は厳しい
現代製薬 スッキリン
サプリメント
毛玉ケア顆粒・フード状50g量の調整がやや大雑把
ラキサトーン
動物用医薬部外品
毛玉ケアペースト70.9g油分特有のにおい
にゃんビオフェルミンS
サプリメント
乳酸菌ふりかけ粉末40g粉が苦手な子は残す
なつくんの乳酸菌
サプリメント
乳酸菌粉末(かつお節)8日分お試し量、賞味期限短め
プラチナ乳酸菌5000α
サプリメント
乳酸菌顆粒5包犬猫兼用設計

※「与えやすさ」はうちの猫での体感による相対評価です。個体差が大きい部分なので、参考程度に。
※ラキサトーンのみ動物用医薬部外品で、他6点(サプリメント)とは法律上の区分が異なります。
※価格・内容量は変動します。購入前に販売ページの最新情報をご確認ください。

一つずつ見ていきます

SILCAT シルキャット(30包・水溶液)

シルク由来の成分を水溶液にした、国内生産の腎臓ケアサプリ。個包装で1日1包なら約1ヶ月分です。

良い点形状に尽きます。水溶液なので、ウェットフードにかけても粉のようにダマにならないし、シリンジで少量ずつ与えることもできる。粉末で一度失敗した経験がある家には、この形状は素直にありがたい。私はスープ状のウェットに混ぜて使いました。

気になる点単価です。30包で1ヶ月というのは、長く続けるとそれなりの金額になります。腎臓ケアは短期で切り上げるものではないので、家計に組み込めるかを先に考えたほうがいい。

向いている人投薬が苦手、かつシニア期に入ったばかりで「まだ療法食ではないけれど何か」と思っている人。

ウィズペティ 毎日腎活(60粒・カツオ味錠剤)

ヤシ殻活性炭、ウラジロガシ、未焼成カルシウム、キトサン、アルギン酸ナトリウム、葉酸、ビタミンB6。腎臓・泌尿器の健康維持を目的に、成分を明示している点は好印象です。国産・無添加を掲げているのも、原材料を気にする人には判断材料になります。

良い点成分がはっきり書いてあること。ぼんやりした「独自配合」ではなく、何が入っているか確認できるので、かかりつけに相談するときも話が早い。カツオ味なのでおやつ感覚で受け取る子もいます。

気になる点錠剤という形状。60粒入りで、体重によっては1日2粒=1ヶ月で終わります。うちの子は錠剤を口に入れた瞬間、器用に舌で押し出してソファの下に飛ばすタイプでした。砕いて混ぜる手はありますが、活性炭が入っているので粉が黒く、フードの見た目が変わることは頭に入れておいてください。

向いている人錠剤やおやつを問題なく食べられる子。成分表示を自分で確認したい人。

現代製薬 猫の毛玉とり スッキリン(50g)

毛玉ケアの定番寄りの一本。フードに近い見た目で、おやつのように与えられます。

良い点取り回しの軽さ。ペーストのようにベタつかないので、外出前にさっと足せる。50gという容量も、初めて毛玉ケアを試す家には手頃です。

気になる点量の調整がやや大雑把になりがちなこと。少量ずつ細かく管理したい人には物足りないかもしれません。あと、これは好みの問題ですが、フード自体を選り好みする子は「いつもと違うものが入っている」と気づいて残すことがあります。

向いている人換毛期だけスポットで使いたい人。ペーストの油っぽさが苦手な家。

ラキサトーン(70.9g・動物用医薬部外品)

この製品だけ区分が違います。フジタ製薬のペーストタイプで、動物用医薬部外品として毛玉の除去・形成防止が用途に表示されています。他6点のサプリメントとは法律上の位置づけが別なので、ここだけ切り離して読んでください。

良い点与えやすさと、区分の明確さ。前足の甲に少量つければ、グルーミングのついでに舐め取ってくれる子が多い。「口に入れる」という工程を挟まないので、警戒心の強い子でも通ります。私はこの塗る方式で、投薬のストレスがかなり減りました。

気になる点油分特有のにおいと質感。人によっては「猫の口の周りがベタつくのが気になる」と感じます。あと、毛玉ケア用であって、腸内環境全般をどうこうするものではない。守備範囲は絞られています。

向いている人長毛種、換毛期に吐き戻しが増える子。口に入れるのを嫌がる子。

にゃんビオフェルミンS(40g・ふりかけ)

ビフィズス菌とタウリンを含むふりかけタイプ。40gの大容量で、全猫種対応をうたっています。

良い点コスパと汎用性。40gあれば少量ずつ長く使えるので、「まず腸活を始めてみる」の入口としては始めやすい。ふりかけなので、ドライにもウェットにも足せます。

気になる点粉末そのものが苦手な子には効きません(食べてくれない、という意味で)。ドライにかけると粉が底に落ちて、猫が粒だけ食べて粉を残す——これ、うちで実際に起きました。ウェットに練り込むか、少量の水で溶いてから混ぜるひと手間が要ります。

向いている人食が細くない、何でも食べる子。コストを抑えて続けたい人。

なつくんの乳酸菌(8日分・お試し)

かつお節ベースの粉末で、腸球菌を配合。国産・無添加、8日分のお試しサイズです。

良い点なんといっても食いつきを8日で試せること。乳酸菌サプリで一番怖いのは「大袋を買ったのに食べない」で、それを実質1週間で判定できる設計は理にかなっています。かつお節の香りは、香りに反応する子には強い味方です。

気になる点量と期限。お試し用なので8日で終わりますし、訳あり品は賞味期限が2〜3ヶ月と短い。継続を前提にすると、結局は本製品を追加購入する流れになります。

向いている人粉末で一度失敗した経験がある人。まず食いつきだけ確かめたい人。

プラチナ乳酸菌5000α(5包・犬猫兼用)

ナノ型乳酸菌、ビフィズス菌、オリゴ糖を組み合わせた顆粒。日本産で、犬にも猫にも使えます。

良い点多頭飼い・多種飼いでの使い回し。犬と猫が同居している家で、サプリを2種類管理するのは地味に面倒です。1つで済むのは実務的にありがたい。

気になる点兼用設計ゆえの中庸さ。猫だけに最適化された製品と比べると、香りの設計は犬寄りに感じることがあります。5包という量も、あくまで試用サイズです。

向いている人犬猫を一緒に飼っている家。まず少量から始めたい人。

使い方別のおすすめ

投薬がとにかく苦手な家 → ラキサトーン(塗る)か、SILCAT(水溶液)。口を開けさせる工程がない、という一点でストレスが違います。
換毛期の2〜3ヶ月だけ対策したい → スッキリンかラキサトーン。通年で続ける必要がないなら、容量の小さいものから。
乳酸菌を初めて試す → なつくんの乳酸菌の8日分。ここで食べるかどうかを見てから、40gのにゃんビオフェルミンSに移るのが無駄がない。逆順で買うと、残った40gの行き場がなくなります。
成分を自分で確認して選びたい → 毎日腎活。原材料が細かく出ているので、獣医師に相談するときの材料になります。
犬も飼っている → プラチナ乳酸菌5000α。

まとめ

7つ見てきて、はっきりしたことが一つあります。「良い成分かどうか」より「3ヶ月後もあげているか」のほうが、実際には大きいということです。

どれだけ設計の良いサプリでも、猫が口をつけなければ袋の中で賞味期限を迎えます。私は棚の奥に、そういう袋を2つ眠らせたことがあります。だから最初は、お試しサイズか、形状が明らかに合っているものから始めるのをすすめます。

あわせて、腎臓に関わるものは自己判断で完結させないほうがいい。健診の結果を持っている人は、購入前にパッケージの写真を1枚撮って、かかりつけで見せてみてください。「これなら足しても」と言われるか、「うちは別の方針で」と言われるか。その一手間で、選択肢はかなり絞れます。

猫が受け取ってくれるものを、無理のない金額で、静かに続ける。結局そこに落ち着くのだと思います。