猫のウェットフード・パウチ5種を比べてみた|「総合栄養食 vs 一般食」で失敗しないまとめ買いの選び方

白いテーブルの上に座る猫
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水を飲まない猫と、箱で届いたパウチ48袋

冬になると、うちの子は水皿の前を素通りするようになる。循環式の給水器も買った。氷も浮かべてみた。それでも飲む量は増えなくて、獣医さんに「ウェットで水分を足す方向でもいいですよ」と言われたのが、パウチをまとめ買いするようになったきっかけでした。

体重4kgの成猫が1日に必要とする水分は、おおよそ200ml前後が目安とされます。ドライフードの水分は約10%。一方でパウチは75〜85%ほど。60gのパウチ1袋なら、45〜50ml程度の水分が入っている計算になります。1日2袋で100ml弱。これはけっこう大きい。

ただ、ここで多くの飼い主さんがつまずくポイントがあります。まとめ買いしたパウチが「一般食」だったというやつです。

一般食は、おかず。総合栄養食は、主食。パッケージの隅に小さく「猫用一般食」「副食」と書かれていて、裏返すと「主食と併用してください」と続いている。私も最初、カルカンを48袋買ってから気づきました。捨てはしませんでしたが、想定していた使い方は変えることになった。

先に:この記事が向いていない人

選ぶときに見る基準は、この3つでいい

基準1:総合栄養食か、一般食か

一番大事。パッケージ表面ではなく、裏面の「目的」表記を見ます。総合栄養食なら水とそれだけで栄養要件を満たす設計、一般食なら他のフードとの併用が前提です。一般食を主食として与え続けると、栄養バランスが崩れる可能性があります。目安として、一般食はカロリーベースで1日の2〜3割程度に留める飼い主さんが多い印象です。

なお、同じブランドでもシリーズや製造時期で表記が変わることがあります。届いたら現物の裏面を確認するクセをつけておくと安心です。

基準2:水分の「形」——ゼリーか、スープか、しっとり系か

水分摂取が目的なら、水分含有率だけ見ても足りません。皿に残るかどうかが実際の摂取量を決めます。ゼリータイプは身だけ食べてゼリーを残す子が一定数いる。うちの1匹はまさにそれで、ゼリーだけ皿に半分残っていた時期がありました。逆にスープ・水煮系は舐め切ってくれることが多い。ただし香りが薄く、食いつきが分かれます。

基準3:1袋のグラム数と、食べ切れる量か

35g、50g、60g、70g。この差は思ったより効きます。小食の子に70gは残る。残ったウェットは常温で置けないので、実質捨てることになる。多頭なら60〜70gが効率的だし、シニアの食べムラ対策なら35gの小容量が無駄になりにくい。

比較表

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商品1袋容量目的表記の傾向 水分の形グレインフリー主な用途
カルカン パウチ 60g×48 60g一般食 とろみ・ゼリー記載なし毎日のトッピング/コスト重視
シーバ リッチ 35g×12 35g一般食 クリーミー・とろみ記載なし食欲が落ちた日の一手
フィリックス 隠し味ゼリー 50g×48 50g総合栄養食 ゼリー多め記載なしウェット主食化
無一物パウチ アソート 約40g一般食 水煮スープ該当
原材料が素材と水中心
水分補給・無添加志向
黒缶パウチ 6種×2 70g総合栄養食 しっとり・スープ少なめグレインフリー主食+嗜好性の底上げ

※目的表記や内容量はメーカーの改定により変わることがあります。購入前と、お手元に届いた際にパッケージ裏面の表示をご確認ください。

商品ごとのレビュー

カルカン パウチ(60g×48袋)

良い点単価が安い。48袋で届くので、1日1〜2袋のトッピング運用なら1か月弱もちます。60gという容量も、水分を足す目的には効率がいい。味のバリエーションも多く、飽きにくい。

気になる点一般食です。これを主食にする設計にはなっていません。それと、とろみが強めのタイプは水分としてカウントしづらい感覚があります。あと単純に、48袋の箱は場所を取る。うちは玄関の棚に押し込みました。

向いている人ドライを主食にしたうえで、水分とトッピングを毎日足したい人。多頭飼い。

シーバ リッチ(35g×12・味を選べるタイプ)

良い点食いつきの強さは5商品の中でも印象に残っています。夏バテで2日ほど食が細った時、これを小皿に出したら顔を突っ込んで食べた。とろみのある濃厚系で、香りが立ちます。

気になる点35gなので、水分を稼ぐには袋数が必要になります。1袋あたりの単価も高め。そして嗜好性が強いぶん、これに慣れるとドライに戻りづらくなるケースがある——という声はよく聞きますし、体感でも近いものがありました。日常の主軸には置きにくい。

向いている人小食の子、シニア、食べムラのリカバリー用に常備しておきたい人。

フィリックス パウチ 我慢できない隠し味ゼリー(50g×48袋)

良い点総合栄養食表記なので、主食寄りの使い方ができるのが強み。ゼリーの量がしっかりあって、水分量としては期待できます。お魚バラエティなので、青魚系が好きな子には刺さりやすい。

気になる点ゼリー残し問題。身だけ選り分けて食べる子がいます。その場合、水分補給の目的は半分しか達成されない。フォークで軽く崩して混ぜると改善することはありましたが、個体差が大きい。あと香りは強めです。

向いている人ウェット主体に切り替えたい人。ゼリーごと舐め切るタイプの子。

無一物パウチ アソート

良い点原材料がシンプルで、素材と水が中心。添加物をできるだけ避けたい人には選びやすい構成です。水煮に近いので汁が多く、皿に残った分まで舐めてくれると水分としてはかなり効きます。グレインフリーを探している人の候補にもなる。

気になる点一般食です。ここが最大の注意点で、これだけで食事を組むことは想定されていません。味付けがない分、濃い味のフードに慣れた子は最初そっぽを向くことがあります。うちは3回目くらいでようやく食べました。単価も高め、1袋約40gと少なめ。

向いている人水分補給そのものが目的の人。トッピングとして少量ずつ使う人。原材料表示にこだわりたい人。

黒缶 パウチ アイシア(6種×2・総合栄養食・グレインフリー)

良い点総合栄養食かつグレインフリーで、70gという容量。キーワード的にも実用的にも、この記事の条件に一番近い一品です。まぐろとかつおベースに、しらす・ササミ・サーモン・かつお節・舌平目と変化がつくので、6種アソートは飽き対策としてよくできている。

気になる点嗜好性が高いぶん、これを覚えるとドライの食いつきが落ちることがあります。それと、6種セットは当たり外れが出る。うちはかつお節入りが人気で、舌平目が余りました。スープはそれほど多くないので、水分量だけを狙うなら無一物のほうが上です。まとめ買い単価も、カルカンと比べると差があります。

向いている人パウチで主食を組みたい人。グレインフリーを条件にしている人。

使い方別のおすすめ

とにかく水分量を増やしたい → 無一物パウチをトッピングに、主食は総合栄養食で確保。スープを残さず舐めるタイプの子なら効率がいい。
パウチだけで食事を完結させたい → 黒缶パウチかフィリックス。どちらも総合栄養食表記です。ただし1日の必要量を賄うには袋数がそれなりに必要になるので、コストは事前に計算しておいたほうがいい。4kgの子で1日3〜4袋のイメージです。
コストを抑えて毎日続けたい → カルカン48袋。一般食であることを理解したうえで、ドライと併用する運用。
食べない日の保険がほしい → シーバを常備。箱買いではなく、少量で置いておくのが現実的です。
うちの子の好みがまだわからない → 黒缶6種アソートか無一物アソートで反応を見る。まとめ買いの前に、当たりの味を1つ見つけておくと後が楽になります。

まとめ

パウチのまとめ買いで一番もったいないのは、48袋届いてから「これ主食にできないのか」と気づくことです。私がやりました。

見るのは3つだけ。総合栄養食か一般食か。水分が汁として残るか、ゼリーとして残されるか。1袋を食べ切れるグラム数か。この順番で絞れば、5商品のどれを選んでも大きく外すことはないと思います。

そして、どの商品にも合わない場面があります。無一物は主食にならないし、シーバは日常使いに向かない。カルカンは安いけれど一般食。黒缶は総合栄養食だけど水分を狙うには汁が少ない。フィリックスはゼリーを残されると計算が崩れる。

完璧な1袋はないので、2種類を組み合わせる前提で考えるのが、たぶん一番現実的です。まずは少量で試して、食べる味が見つかってからまとめ買いに進む。それだけで無駄になる袋はかなり減らせます。

※商品の目的表記や内容量は改定されることがあります。購入時とお手元に届いた際、パッケージ裏面の表示をご確認ください。健康上の不安がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談を。